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平成25年度全国学力・学習状況調査の結果について

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 平成25年4月24日に実施した「全国学力・学習状況調査」の大山町の結果について公表します。
 この調査は、国語と算数・数学の2教科についての調査であり、児童生徒の学力の全てを見ることはできませんが、町内の各学校ではこの結果を一つの手がかりとし、成果と課題を明らかにして今後の教育活動に活かしていこうとしています。
 今年度の調査は、悉皆調査となっているので、町内の全ての小・中学校が参加しています。
 大山町教育委員会では、学校の取組の進捗状況を把握しつつ、より質の高い教育の実現に向けて取り組んでいきます。


Ⅰ 調査の概要

1 調査の目的
義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。また、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。

2 調査内容
○小学校第6学年、中学校第3学年の全児童生徒を対象
○教科に関する調査は、国語、算数・数学の2教科については「知識」に関する問題A、「活用」(知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力など)に関する問題Bを出題              
○生活習慣や学習環境に関する質問紙調査を児童生徒と学校に実施

3 調査日時
  平成25年4月24日(水)

4 大山町の参加状況
○参加学校数 7校(小学校4校、中学校3校)
○参加児童生徒数 281人(小学校6年生139人、中学校3年生142人)

 

5 調査結果の処理
 ○学力調査・質問紙調査の結果とも、国がデータ処理したものと大山町が独自にデータ処理したものを使用しています。

 

 

Ⅱ 教科に関する調査結果

1 小学校

  データ1-①学力調査結果(小学校)1-②学力調査結果概況(小学校)

(1)小学校全体について
○県全体の平均正答率は、国と比較して国語A・B、算数A・Bともにやや高い。
○大山町全体の平均正答率は、県と比較して国語A・B、算数A・Bともにやや低い。国と比較して国語Aでは等しく、算数Aはやや高く、国語B・算数Bともにやや低い。

(2)国語について
○国語Aでは、評価の観点「国語への関心・意欲・態度」において、学校間の差がかなり大きい。(差37.3%)
○国語Bでは、学習指導要領の領域等「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」、評価の観点「言語についての知識・理解・技能」の平均正答率が、県と比較して低い。(-7.4%)
○国語Bでは、学習指導要領の領域等「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」、評価の観点「言語についての知識・理解・技能」において、学校間の差がかなり大きい。(差20.8%)

(3)算数について
○算数Aでは、学習指導要領の領域等「数量関係」において、学校間の差がかなり大きい。(差12.3%)
○算数Bでは、学習指導要領の領域等「量と測定」の平均正答率が、県と比較してやや低い。(-4.7%)
○算数Bでは、学習指導要領の領域等「図形」の平均正答率が、県と比較してやや低い。(-4.6%)

○算数Bでは、学習指導要領の領域等「数と計算」において、学校間の差がかなり大きい。(差15.4%)
○算数Bでは、評価の観点「数量や図形についての技能」において、学校間の差がかなり大きい。(差25.4%)


2 中学校

  データ2-①学力調査結果(中学校)2-②学力調査結果概況(中学校)

(1)中学校全体について
○県全体の平均正答率は、国語A・B、数学A・Bともに国と比較してやや高い。
○大山町全体の平均正答率は、県と比較して国語A・B、数学Bともにやや高く、数学Aはやや低い。国と比較して国語A・B、数学A・Bともにやや高い。

(2)国語について
○国語Aでは、学習指導要領の領域等「話すこと・聞くこと」、評価の観点「話す能力・聞く能力」において、学校間の差がかなり大きい。(差13.4%)
○国語Bでは、学習指導要領の領域等「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」、評価の観点「言語についての知識・理解・技能」の平均正答率が、県と比較して高い。(5.4%)
○国語Bでは、学習指導要領の領域「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」、評価の観点「言語についての知識・理解・技能」において、学校間の差がかなり大きい。(差11.8%)
○国語Bの大山町の正答数分布は、国や県と比較して上位層の割合が多い。

(3)数学について
○数学Aでは、学習指導要領の領域「数と式」において、学校間の差がかなり大きい。(差10.8%)
○数学Bでは、評価の観点「数量、図形などについての知識・理解」の平均正答率が、県と比較してやや高い。(4.7%)
○数学Bでは、学習指導要領の領域「数と式」において、学校間の差がかなり大きい。(差12.5%)
○数学Bでは、学習指導要領の領域「図形」において、学校間の差がかなり大きい。(差13.0%)
○数学Bでは、評価の観点「数学的な技能」において、学校間の差がかなり大きい。(差14.7%)
○数学Bでは、評価の観点「数量、図形などについての知識・理解」において、学校間の差がかなり大きい。(差12.1%)

 

Ⅲ 児童生徒質問紙調査の結果(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ共通)

1 小学校

    データ3小学校児童質問紙回答結果集計

(1)鳥取県と国を比較して、大きな差が見られる項目
・ 本を読んだり、借りたりするために、学校図書館・室や地域の図書館にどれくらい行きますか。(教科書や参考書、漫画や雑誌除く)週に1回以上行く割合・・・国より16.6%高い。
・ 今住んでいる地域の行事に参加している割合・・・国より15.2%高い。
・ 学習塾(家庭教師含む)で勉強をしている割合・・・国より10.4%低い。
・ 携帯電話やスマートフォンの使い方について、家の人と約束したことを守っている割合・・・国より11.3%低い。

(2)大山町全体の傾向(肯定的な回答の割合の比較)
○県と比較して、10%以上高い項目
  該当なし
○県と比較して、5%以上高い項目
・ 家で、学校の授業を復習していますか
・ 400字詰め原稿用紙2~3枚の感想文や説明文を書くことは難しいと思いますか
・ 国語の勉強は好きですか
○県と比較して、5%以上低い項目
・ ものごとを最後までやりとげて、うれしかったことがありますか
・ 地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がありますか
・ 普段の授業では本やインターネットを使って、グループで調べる活動をよく行っていると思いますか                                       
・ 国語の授業で文章を読むとき、段落や話のまとまりごとに内容を理解しながら読んでいますか
・ 今回の算数の問題について、言葉や式を使ってわけや求め方を書く問題がありましたが、最後まで解答を書こうと努力しましたか
○県と比較して、10%以上低い項目
・ 毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか
・ 難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか
・ 地域や社会をよくするために何をすべきかを考えることがありますか
○学校間の差が25%以上の項目
・ 家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか
・ 家で、学校の授業の復習をしていますか
・ 地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がありますか
・ 普段の授業では、本やインターネットを使って、グループで調べる活動をよく行っていると思いますか
・ 読書は好きですか
・ 国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしていますか
・ 今回の国語の問題について、解答を文章で書く問題がありましたが、どのように解答しましたか
・ 算数の授業の内容はよく分かりますか

2 中学校

データ4中学校生徒質問紙回答結果集計

(1) 鳥取県と国を比較して、大きな差が見られる項目
・ 普段の授業で、生徒の間で話し合う活動をよく行っている割合・・・13.2%高い。
・ 携帯電話やスマートフォンの使い方について、家の人と約束したことを守っている割合・・・・国より19.6%低い。

(2)大山町全体の傾向(肯定的な回答の割合の比較)
○県と比較して、10%以上高い項目
    該当なし
○県と比較して、5%以上高い項目
・ 国語の勉強は好きですか
・ 国語の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか
○県と比較して、5%以上低い項目
・ 毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか
・ 難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか
・ 将来の夢や目標を持っていますか
・ 家で、学校の授業の予習をしていますか
・ 学校に行くのは楽しいと思いますか
・ 普段の授業では本やインターネットを使って、グループで調べる活動をよく行っていると思いますか
・ 読書は好きですか
・ 国語の授業で文章を読むとき、段落や話のまとまりごとに内容を理解しながら読んでいますか
・ 数学の授業の内容はよく分かりますか
・ 数学の問題の解き方が分からないときは、あきらめずにいろいろな方法を考えますか

○ 県と比較して、10%以上低い項目
・ 自分には、よいところがあると思いますか
・ 家の手伝いをしていますか
・ 普段の授業では、生徒の間で話し合う活動をよく行っていると思いますか
・ 国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしていますか
・ 数学の授業で公式やきまりを習うとき、その根拠を理解するようにしていますか
○学校間の差が25%以上の項目
・ 家で、学校の授業の復習をしていますか
・ 今住んでいる地域の行事に参加していますか
・ 普段の授業では、生徒の間で話し合う活動をよく行っていると思いますか
・ 400字詰め原稿用紙2~3枚の感想文や説明文を書くことは難しいと思いますか

3 小学校と中学校の比較

データ5質問紙調査結果の小学校と中学校の比較

(1)大山町全体の傾向(肯定的な回答の割合の比較) 
○中学校と比較して、小学校の方が10%以上高い項目
・ 自分には、よいところがあると思いますか
・ 将来の夢や目標を持っていますか
・ 家の手伝いをしていますか
・ 家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか
・ 家で、学校の授業の予習をしていますか
・ 家で、学校の授業の復習をしていますか
・ 学校へ行くのは楽しいと思いますか
・ 今住んでいる地域の行事に参加していますか
・ 普段の授業では本やインターネットを使って、グループで調べる活動をよく行っていると思いますか
・ 普段の授業では学級の友達との間で話し合う活動をよく行っていると思いますか   
・ 国語の授業内容はよく分かりますか
・ 読書は好きですか
・ 国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしていますか
・ 国語の授業で意見などを発表するとき、うまく伝わるように話の組み立てを工夫していますか
・ 国語の授業で文章を読むとき、段落や話のまとまりごとに内容を理解しながら読んでいますか
・ 今回の国語の問題について、解答を文章で書く問題がありましたが、最後まで解答を書こうと努力しましたか
・ 算数・数学の勉強は好きですか
・ 算数・数学の勉強は大切だと思いますか
・ 算数・数学の授業の内容はよく分かりますか
・ 算数・数学の問題の解き方が分からないときは、あきらめずにいろいろな方法を考えますか
・ 算数・数学の授業で学習したことは普段の生活の中で活用できないか考えますか
・ 算数・数学の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか
・ 算数・数学の授業で問題を解くとき、もっと簡単に解く方法がないか考えますか
・ 算数・数学の授業で公式やきまりを習うとき、そのわけを理解するようにしていますか
・ 今回の算数・数学の問題について、言葉や式を使ってわけや求め方を書く問題がありましたが、最後まで解答を書こうと努力しましたか
○中学校と比較して、小学校の方が5%以上高い項目
・ 難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか
・ 家の人と学校での出来事について話をしていますか 
・ 家で、学校の宿題をしていますか
・ 国語の授業で自分の考えを書くとき、考えの理由が分かるように気をつけて書いていますか
・ 算数・数学の授業で問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いていますか 
○中学校と比較して、小学校の方が5%以上低い項目
・ ものごとを最後までやりとげて、うれしかったことがありますか
・ 学校の授業などで、自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しいと思いますか
○中学校と比較して、小学校の方が10%以上低い項目
・ 算数・数学の授業で新しい問題に出合ったとき、それを解いてみたいと思いますか
   
4 6年間の比較(肯定的な回答の割合の比較)

データ6-①質問紙調査結果の6年間の比較(小学校)


6-②質問紙調査結果の6年間の比較(中学校)

(1) 小学校
○6年間で県に比べてほぼ高い項目
・ 家で学校の授業の復習をしていますか
○6年間とも県に比べて低い項目
・ 家の人と学校での出来事について話をしていますか
・ 算数の授業の内容はよくわかりますか
○6年間で割合がほぼ上がってきている項目
・ 国語の勉強は好きですか
・ 算数の授業内容はよく分かりますか
○6年間で割合が下がってきている項目
  該当なし

(2)中学校
○6年間で県に比べてほぼ高い項目
・ ものごとを最後までやりとげて、うれしかったことがありますか
・ 家の人と普段(月~金曜日)、夕食を一緒に食べていますか
・ 今住んでいる地域の行事に参加していますか
・ 国語の勉強は好きですか
・ 国語の授業の内容はよく分かりますか
○6年間とも県に比べて低い項目
・ 学校の規則を守っていますか
・ 人の気持ちが分かる人間になりたいと思いますか
・ 人の役に立つ人間になりたいと思いますか
○ 6年間で割合がほぼ上がってきている項目
・ ものごとを最後までやりとげて、うれしかったことがありますか
・ 家の人と普段(月~金曜日)、夕食を一緒に食べていますか
・ 学校の規則を守っていますか
・ 人の気持ちが分かる人間になりたいと思いますか
○6年間で割合が下がってきている項目
 該当なし

 

Ⅳ 調査結果のまとめ

1 学力調査結果について 
(1)小学校においては、県と比較して国語A・B、算数A・Bともにやや低い。国と比較して国語Aでは等しく、算数Aはやや高く、国語B・算数Bともにやや低い。経年で比較すると、活用する力について、少しずつではあるが全国との差が小さくなっている。「普段の授業では、自分の考えを発表する機会が与えられていると思いますか」という質問について、肯定的回答率が全国より5.6%高く、授業改善による成果だと考えられる。
(2)中学校においては、県と比較して国語A・B、数学Bともにやや高く、数学Aはやや低い。国と比較して国語A・B、数学A・Bともにやや高く、おおむね良好な結果である。活用する力に伸びが見られるのは、「普段の授業では、自分の考えを発表する機会が与えられていると思いますか」という質問について、肯定的回答率が全国より6.3%高く、小学校と同様に授業改善による成果だと考えられる。
(3)経年で比較すると、小・中学校ともに学校間の差は小さくなりつつある。小学校では国語A・B、算数A・Bともに差は5パーセント以内である。中学校では国語A・B、数学Aともに差は8%以内であり、数学Bで11.2%の差が見られる。それぞれの学校が自校の結果をしっかり分析し、授業改善等に取り組むとともに、学習内容を反復徹底するために家庭学習の充実を図る必要がある。
(4)中学校段階で見える課題については、改善の方向へ向かっている。しかし、小学校からの積み重ねの結果が、中学校の課題につながっているという視点をもって、町教育振興会等を中心に、校区の小・中学校が情報や課題を共有し、連携して学力向上に取り組むことが重要である。

2 質問紙調査結果について
(1)小学生においては、県と比較して「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦している」「ものごとを最後までやりとげて、うれしかったことがある」という質問についての肯定的な回答割合が低く、自尊意識に課題が見られる。
(2)中学生においても、県と比較して自尊意識に課題が見られる。また、「国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしていますか」「数学の授業で公式やきまりを習うとき、その根拠を理解するようにしていますか」という質問についての肯定的な回答割合が低く、学習に対する関心・意欲・態度に課題が見られる。
(3)読書習慣について、小学生では、読書が好きな児童の割合が県よりやや高い。週に1回以上学校図書館や地域の図書館を利用する回数は、県より多いいが、「ほとんど、または、全く行かない」児童が20.1%いることから、読書好きな小学生の二極化が見られる。中学生では、読書が好きな生徒の割合が県より低く、30.3%の生徒が全く読書をしないなど課題が見られる。
(4)休日の家庭学習については、1時間から2時間している小学生の割合は、県より11.6%低い。中学生では、1時間から3時間している割合は、県より12.7%低い。本年度から全児童生徒へ配布した「大山町版家庭学習の手引き」等を活用し、学校と家庭が連携を進めながら、家庭学習の習慣化に向けた具体的な取組をする必要がある。
(5)平日のテレビやビデオ、DVDの視聴時間については、小学生では2時間以上視聴する割合が県より4.6%高く、家庭での生活習慣に課題が見られる。中学生の視聴時間については、県とほぼ等しく改善が見られる。
(6)全国的に、小・中学生が携帯電話を持つことから生じるさまざまな課題が指摘されているが、大山町では携帯電話を持たない小学生の割合が県よりやや高く、中学生の割合が県よりかなり高い。小学生66.2%(国53.9%、県65.0%)、中学生71.1%(国35.3%、県59.5%)となっている。学校と家庭、地域が連携して、メディアとの接し方について継続性のある取組を進めていく必要がある。

 

お問い合わせは教育委員会事務局/
幼児・学校教育課

名和公民館 1階  
〒689-3211 大山町御来屋263-1

電話0859-54-5211

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