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平成28年度全国学力・学習状況調査の結果について

更新日:
2020年03月06日

本文

 平成28年4月19日に実施した「全国学力・学習状況調査」の大山町の結果について公表します。
 この調査は、国語と算数・数学の2教科についての調査であり、児童生徒の学力の全てを見ることはできませんが、町内の各学校ではこの結果を一つの手がかりとし、成果と課題を明らかにして今後の教育活動に生かしていこうとしています。
 今年度の調査は、悉皆調査となっているので、町内の全ての小・中学校が参加しています。
大山町教育委員会では、学校の取組の進捗状況を把握しつつ、より質の高い教育の実現に向けて取り組んでいきます。
 
 
Ⅰ 調査の概要
 
1 調査の目的
○義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。
○学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。
○そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。
 
2 調査内容
○小学校第6学年、中学校第3学年の全児童生徒を対象
○教科に関する調査は、国語、算数・数学の2教科については「知識」に関する問題A、「活用」(知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力など)に関する問題Bを出題              
○生活習慣や学習環境に関する質問紙調査を児童生徒と学校に実施
 
3 調査日時
  平成28年4月19日(火)
 
4 大山町の参加状況
○参加学校数 7校(小学校4校、中学校3校)
○参加児童生徒数 271人(小学校6年生134人、中学校3年生137人)
 
5 調査結果の処理
○学力調査・質問紙調査の結果とも、国がデータ処理したものと大山町が独自にデータ処理したものを使用しています。
 
 ※結果の分析に当たって、国・県と比べて平均正答率等の差に応じて

 次のように表現しています。
  ・差が5%未満の場合

      「やや高い(低い)」「やや多い(少ない)」「やや大きい(小さい)」
  ・差が5%以上10%未満の場合

      「高い(低い)」「多い(少ない)」「大きい(小さい)」
  ・差が10%以上の場合

      「かなり高い(低い)」「かなり多い(少ない)」「かなり大きい(小さい)」
 
 
Ⅱ 教科に関する調査結果
 
1 小学校
 
  データ1学力調査結果(小学校)
 
(1)小学校全体について
○県全体の平均正答率は、国と比較して国語A・Bともにやや高く、算数A・Bについてはやや低い。
○大山町全体の平均正答率は、国と比較して国語Aは高く、国語Bについてはやや高い。算数A・Bはやや低い。また、県と比較して国語A・Bともにやや高く、算数A・Bともにやや低い。
 
(2)国語について
○国語Aでは、学習指導要領の領域等「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」、評価の観点「言語についての知識・理解・技能」の平均正答率が、国や県と比較して高い。(国9.6%、県6.4%)
○国語Aでは、問題形式「短答式」の平均正答率が、国や県と比較して高い。(国9.6%、県6.2%)
○国語Aでは、学習指導要領の領域等「読むこと」、評価の観点「読む能力」の平均正答率が、国と比較してやや低く、県より低い。(国-4.6%、県-5.7%)
○国語Aでは、学習指導要領の領域等「話すこと・聞くこと」、評価の観点「話す能力・聞く能力」において、学校間の差がかなり大きい。(差23.3%)
○国語Aでは、学習指導要領の領域等「書くこと」、評価の観点「書く能力」において、学校間の差がかなり大きい。(差24.7%)
○国語Aでは、学習指導要領の領域等「読むこと」、評価の観点「読む能力」において、学校間の差がかなり大きい。(差20.8%)
○国語Bでは、学習指導要領の領域等「読むこと」、評価の観点「読む能力」の平均正答率が、国や県と比較してやや高い。(国3.3%、県2.3%)
○国語Bでは、学習指導要領の領域等「書くこと」、評価の観点「書く能力」において、学校間の差がかなり大きい。(差20.0%)
○国語Bでは、学習指導要領の領域等「読むこと」、評価の観点「読む能力」において、学校間の差がかなり大きい。(差23.2%)
 
(3)算数について
○算数Aでは、学習指導要領の領域等「量と測定」の平均正答率が、国や県と比較して高い。(国5.8%、県7.7%)
○算数Aでは、問題形式「選択式」の平均正答率が、国や県と比較してやや高い。(国2.7%、県2.8%)
○算数Aでは、学習指導要領の領域等「数と計算」において、学校間の差がかなり大きい。(差23.5%)
○算数Aでは、評価の観点「数量や図形についての技能」において、学校間の差がかなり大きい。(差22.5%)
○算数Aでは、問題形式「選択式」において、学校間の差がかなり大きい。(差24.2%)
○算数Bでは、評価の観点「数量や図形についての技能」の平均正答率が、国や県と比較してやや低い。(国-3.5%、県-2.4%)
○算数Bでは、問題形式「記述式」の平均正答率が、国や県と比較してやや低い。(国-3.5%、県-2.9%)
○算数Bでは、評価の観点「数量や図形についての技能」において、学校間の差がかなり大きい。(差26.3%)
  
2 中学校
 
  データ2学力調査結果(中学校)
 
(1)中学校全体について
○県全体の平均正答率は、国語A・B、数学A・Bともに国と比較してやや高い。
○大山町全体の平均正答率は、国や県と比較して国語A・Bともにやや高く、数学A・Bともにやや低い。
 
(2)国語について
○国語Aでは、学習指導要領の領域等「話すこと・聞くこと」、評価の観点「話す・聞く能力」の平均正答率が、国や県と比較してやや高い。(国3.5%、県3.7%)
○国語Aでは、学習指導要領の領域等「書くこと」、評価の観点「書く能力」において、学校間の差がかなり大きい。(差10.7%)
○国語Bでは、問題形式「短答式」の平均正答率が、国と比較して高く、県よりやや高い。(国5.0%、県4.3%)
 
(3)数学について
○数学Aでは、学習指導要領の領域等「資料の活用」の平均正答率が、国や県と比較して低い。(国-6.5%、県-7.1%)
〇数学Aでは、問題形式「短答式」の平均正答率が、国や県と比較してやや低い。(国-2.0%、県-3.5%)
○数学Aでは、学習指導要領の領域等「図形」において、学校間の差がかなり大きい。(差11.1%)
○数学Bでは、学習指導要領の領域等「関数」の平均正答率が、国や県と比較してやや高い。(国3.0%、県1.7%)
○数学Bでは、学習指導要領の領域等「資料の活用」の平均正答率が、国や県と比較してやや低い。(国-2.8%、県-2.8%)
○数学Bでは、学習指導要領の領域「図形」において、学校間の差がかなり大きい。(差17.1%)
 
 
Ⅲ 児童生徒質問紙調査の結果(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ共通)
 
1 小学校
 
    データ3小学校児童質問紙回答結果集計
 
(1)鳥取県と国を比較して、大きな差が見られる項目
・携帯電話やスマートフォンを持っていない割合・・・国より10.7%高い。
・学習塾に通っていない割合・・・国より12.5高い。
・家で、学校の復習をしている割合・・・国より5.8%高い。
・学級会などの時間に友達同士で話し合って学級のきまりなどを決めている割合・・・国より5.0%高い。
・学級会などの話し合い活動で、自分とは異なる意見や少数意見のよさを生かしたり、折り合いをつけたりして話し合い、意見をまとめている割合・・・国より7.8%高い。
・今住んでいる地域の行事に参加している割合・・・国より14.5%高い。
・地域社会などでボランティア活動に参加したことがある割合・・・国より10.2%高い。
 
(2)大山町全体の傾向(肯定的な回答の割合の比較)
○県と比較して、10%以上高い項目
・家で、学校の授業の復習をしていますか
・家で、予習・復習やテスト勉強などの自学自習において、教科書を使いながら学習していますか
・国語の勉強は好きですか

 

○県と比較して、5%以上高い項目
・家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか
・調査問題の解答時間は十分でしたか(国語A)
・調査問題の解答時間は十分でしたか(国語B)
  
○県と比較して、5%以上低い項目
・難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか
・友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意ですか
・先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか
・地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がありますか
・5年生までに受けた授業では、先生から示される課題や、学級やグループの中で、自分たちで立てた課題に対して、自ら考え、自分から取り組んでいたと思いますか
・5年生までに受けた授業では、学級の友達との間で話し合う活動をよく行っていたと思いますか
・5年生までに受けた授業の最後に、学習内容を振り返る活動をよく行っていたと思いますか
・学校の授業などで、自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しいと思いますか
・算数の授業で新しい問題に出合ったとき、それを解いてみたいと思いますか
 
○県と比較して、10%以上低い項目
・学級会などの話し合い活動で、自分とは異なる意見や少数意見のよさを生かしたり、折り合いをつけたりして話し合い、意見をまとめていますか
・地域社会などでボランティア活動に参加したことがありますか
 
○学校間の差が25%以上の項目
・将来の夢や目標を持っていますか
・家の人(兄弟姉妹を除く)と学校での出来事について話をしますか
・家の手伝いをしていますか
・新聞を読んでいますか
・テレビのニュース番組やインターネットのニュースを見ますか(携帯電話やスマートフォンを使ってインターネットのニュースを見る場合も含む)
・「総合的な学習の時間」では、自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいますか
・5年生までに受けた授業では、先生から示される課題や、学級やグループの中で、自分たちで立てた課題に対して、自ら考え、自分から取り組んでいたと思いますか
・5年生までに受けた授業で、学級の友達との間で話し合う活動では、話し合う内容を理解して、相手の考えを最後まで聞き、自分の考えをしっかり伝えていたと思いますか
・5年生までに受けた授業で、自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表していたと思いますか
・5年生までに受けた授業の最後に、学習内容を振り返る活動をよく行っていたと思いますか
・学校の授業などで、自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しいと思いますか
・国語の授業内容はよく分かりますか
・国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしていますか
・調査問題の解答時間は十分でしたか(算数B)
 
2 中学校
 
  データ4中学校生徒質問紙回答結果集計
 
(1)鳥取県と国を比較して、大きな差が見られる項目
・携帯電話やスマートフォンを持っていない割合・・・国より10.8%高い。
・学習塾に通っていない割合・・・国より8.2%高い。
・今住んでいる地域の行事に参加している割合・・・国より8.3%高い。
・地域社会などでボランティア活動に参加したことがある割合・・・国より6.1%高い。
・新聞を読んでいる割合・・・国より7.1%高い。
・1、2年生のとき、授業中に生徒の間で話し合う活動をよく行っていた割合・・・国より7.4%高い。
・1、2年生のとき、学級やグループの中で自分たちで課題を立てて、その解決に向けて情報を集め、話し合いながら整理して、発表するなどの学習活動に取り組んでいた割合・・・国より7.0%高い
・1、2年生のとき、授業の中で、目標(めあて・ねらい)が示されていた割合・・・国より6.2%高い。
・1、2年生のとき、授業の最後に学習内容を振り返る活動をよく行っていた割合・・・国より7.3%高い。
・1、2年生のとき、授業で扱うノートには、学習の目標(めあて・ねらい)とまとめを書いていた割合・・・国より7.0%高い。
・1、2年生のとき、道徳の時間で、自分の考えを深めたり、学校やグループで話し合ったりする活動に取り組んでいた割合・・・国より5.7%高い。
・読書が好きな割合・・・国より5.3%高い。
・家で、学校の授業の予習をしている割合・・・国より6.6%低い。
・学校の授業時間以外に、普段(月~金曜日)、1日あたり全く読書をしない割合・・・国より5.2%低い。
・昼休みや放課後、学校が休みの日に、本(教科書や参考書、漫画や雑誌除く)を読んだり、借りたりするために、学校図書館・学校図書室や地域の図書館に、ほとんど、または、全く行かない割合・・・国より8.4%低い。
 
(2)大山町全体の傾向(肯定的な回答の割合の比較)
○県と比較して、10%以上高い項目
・国語の勉強は好きですか
・国語の授業の内容はよく分かりますか
・国語の授業で意見などを発表するとき、うまく伝わるように話の組み立てを工夫していますか
 
○県と比較して、5%以上高い項目
・難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか
・友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意ですか
・家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか
・「総合的な学習の時間」では、自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいますか
・1、2年生のときに受けた授業では、先生から示される課題や、学級やグループの中で、自分たちで立てた課題に対して、自ら考え、自分から取り組んでいたと思いますか
・1、2年生のときに受けた授業では、自分の考えを発表する機会が与えられていたと思いますか
・1、2年生のときに受けた授業で、自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表していたと思いますか
・1、2年生のときに受けた授業で扱うノートには、学習の目標(めあて・ねらい)とまとめを書いていたと思いますか
・学校の授業などで、自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しいと思いますか
・国語の授業で目的に応じて資料を読み、自分の考えを話したり、書いたりしていますか
・数学の問題の解き方が分からないときは、諦めずにいろいろな方法を考えますか
・数学の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考えますか
 
○県と比較して、5%以上低い項目
・朝食を毎日食べていますか
・毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか
・家の人(兄弟姉妹を除く)と学校での出来事について話をしますか
・家の手伝いをしていますか
・先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか
・テレビのニュース番組やインターネットのニュースを見ますか(携帯電話やスマートフォンを使ってインターネットのニュースを見る場合も含む)
・いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか
・読書は好きですか
 
○県と比較して、10%以上低い項目
・地域社会などでボランティア活動に参加したことがありますか
 
○学校間の差が25%以上の項目
・数学の勉強は好きですか
・数学の授業で問題を解くとき、もっと簡単に解く方法がないか考えますか
・数学の授業で公式やきまりを習うとき、その根拠を理解するようにしていますか
 
3 小学校と中学校の比較

 
  データ5質問紙調査結果の小学校と中学校の比較
 
(1)大山町全体の傾向(肯定的な回答の割合の比較) 
○中学校と比較して、小学校の方が10%以上高い項目
・将来の夢や目標を持っていますか
・家の手伝いをしていますか
・家で、学校の授業の予習をしていますか
・家で、学校の授業の復習をしていますか
・家で、予習・復習やテスト勉強などの自学自習において、教科書を使いながら学習していますか
・学校で、好きな授業がありますか
・今住んでいる地域の行事に参加していますか
・「総合的な学習の時間」の勉強は好きですか
・算数(数学)の勉強は大切だと思いますか
・算数(数学)の授業の内容はよく分かりますか
・算数(数学)の授業で学習したことを普段の生活の中で活用できないか考えますか
・算数(数学)の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか
・算数(数学)の授業で公式やきまりを習うとき、そのわけを理解するようにしていますか
  

○中学校と比較して、小学校の方が5%以上高い項目
・朝食を毎日食べていますか
・毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか
・友達と話し合うとき、友達の話や意見を最後まで聞くことができますか
・家の人(兄弟姉妹を除く)と学校での出来事について話をしますか
・家で、自分で計画を立てて勉強をしていますか
・家で、学校の宿題をしていますか
・あなたの学級では、学級会などの時間に友達同士で話し合って学級のきまりなどを決めていると思いますか
・先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか
・先生は、授業やテストで間違えたところや、理解していないところについて、分かるまで教えてくれますか
・テレビのニュース番組やインターネットのニュースを見ますか(携帯電話やスマートフォンを使ってインターネットのニュースを見る場合も含む)
・いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか
・「総合的な学習の時間」の授業で学習したことは、普段の生活や社会に出たときに役に立つと思いますか
・学校の授業などで、自分の考えを他の人に説明したり、文章に書いたりすることは難しいと思いますか
・読書は好きですか
・算数(数学)の勉強は好きですか
・算数(数学)の問題の解き方が分からないときは、諦めずにいろいろな方法を考えますか
・算数(数学)の授業で問題を解くとき、もっと簡単に解く方法がないか考えますか
・算数(数学)の授業で問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いていますか
 
○中学校と比較して、小学校の方が5%以上低い項目
・難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか
・5年生(中学1・2年生)までに受けた授業では、先生から示される課題や、学級やグループの中で、自分たちで立てた課題に対して、自ら考え、自分から取り組んでいたと思いますか
・5年生(中学1・2年生)までに受けた授業では、学級の友達との間で話し合う活動をよく行っていたと思いますか
・5年生(中学1・2年生)までに受けた授業で、自分の考えを発表する機会では、自分の考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発表していたと思いますか
・国語の授業で意見などを発表するとき、うまく伝わるように話の組み立てを工夫していますか
 
○中学校と比較して、小学校の方が10%以上低い項目
・友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意ですか
・学級会などの話し合い活動で、自分とは異なる意見や少数意見のよさを生かしたり、折り合いをつけたりして話し合い、意見をまとめていますか
・算数(数学)の授業で新しい問題に出合ったとき、それを解いてみたいと思いますか
・調査時間の解答時間は十分でしたか(算数・数学)
 
 
Ⅳ 調査結果のまとめ
 
1 学力調査結果について
 
(1) 小学校においては、国と比較して国語Aは高く、国語Bについてはやや高い。算数A・Bはやや低い。また、県と比較して国語A・Bともにやや高く、算数A・Bともにやや低い。
 国語を研究の重点教科として、単元をつらぬく言語活動を大切にした授業づくりを進めた結果、学習内容の定着に改善が見られ、「言語についての知識・理解・技能」においては、高い伸びを示している。
 算数では「量と測定」について大きな伸びは見られるものの、依然として数量関係に課題が見られる。授業を展開するうえで、ねらいにそった適用題を用意し、児童一人一人がねらいを達成することができているのか授業者が見取り、PDCAサイクルを大切にした日々の授業づくりを徹底する必要がある。

(2) 中学校においては、国や県と比較して国語A・Bともにやや高く、数学A・Bともにやや低い。
国語については、課題のあった「書く能力」について改善が見られる。授業の中で書くことにより、思考を整理してまとめる活動を大切にした成果だと考えられる。
数学は、「資料の活用」を中心に課題が見られる。小・中学校ともに、「算数・数学の勉強が好きである」と回答した割合が国と比較して低い傾向にある。小・中連携を推進して、学習意欲を学習内容の定着へつなげる取組の充実が必要である。また、授業づくりの工夫だけでなく、家庭学習(月~金曜日)を普段1時間以上する割合が県より16.1%も低いという喫緊の課題を改善する必要がある。
 
(3) 学校間の差については、小・中学校ともに国語B、算数B・数学Bともに10%前後、算数Aでは約20%の差がある。
 特に、小学校国語Aでは、4技能(話す・聞く・読む・書く)すべてにおいて、20%以上の差がある。
 また、中学校では図形領域で10%以上の差がある。各学校が自校の結果をしっかりと分析し、学級経営や生徒指導を含め、日々の授業改善に取り組むとともに、放課後学習や家庭学習などとの関連を図り、学習内容を定着するための反復徹底を図るサイクルの構築が必要である。
 校区の小・中学校が9年間を見通した生徒像を共有し、共通実践をもとにした学力向上に取り組むことが重要である。
 
2 質問紙調査結果について
(1) 小学校においては、昨年、向上傾向にあった「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか」という質問について、国や県と比較して、肯定的な回答割合が低く自己肯定感の低下が心配される。
 また、昨年同様「人が困っているときは、進んで助けていますか」「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか」という質問について、国や県と比較して、肯定的な回答割合が低い傾向にあり、引き続き規範意識を高めることが大きな課題である。そのためには、家庭だけではなく、児童会等で課題意識を持ち自治活動を推進する必要がある。
 
(2) 中学校においては、昨年度より引き続き、県と比較して自己肯定感が向上している。
 しかし、小学校も同様であるが「地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がありますか」「地域社会などでボランティア活動に参加したことがありますか」という質問について、国や県と比較して、肯定的な回答割合が低く社会への関心が低いことが伺える。特に、ボランティア活動の参加経験については、小・中学校ともに県と比較して15%以上肯定的な回答割合が低く、総合的な学習等での体験活動や家族とともにまちづくり活動に参加することなどにより、意識の変容が見込まれる。
 
(3) 読書習慣について、「昼休みや放課後、学校が休みの日に、本(教科書や参考書、漫画や雑誌除く)を読んだり、借りたりするために、学校図書館・学校図書室や地域の図書館に週1回以上行く割合」は、小学校が34.3%、中学校が25.2%であり、小・中学校ともに県と比較し9%以上高く、非常に良好な結果となっている。
 これは、ブックスタートなどを始め、乳幼児期からの読み聞かせや小・中学校での音読ボランティア、司書教諭や学校司書の取組、学校での委員会活動などの成果だと考えられる。小・中学校のノーメディア週間などを活用しながら、読書に親しんだり、親子で会話をする時間を増やしたりすることで、心豊かな大山町の子どもたちを育てていくことが大切である。
 
(4) 平日の家庭学習については、県と比較して「家で、自分で計画を立てて勉強していますか」という質問について、肯定的な回答割合が小学校では5.9%高く、中学校でも9.9%高い。また、小学校では「学校の授業の復習をしていますか」という質問についても、肯定的な回答割合が県と比較して10.6%高く、非常に良好な結果である。
 しかし、中学校では、「学校の授業時間以外に、普段(月~金曜日)、1日1時間以上、勉強をしている割合(学習塾で勉強している時間や家庭教師に教わっている時間も含む)」が51.1%であり、県と比較して肯定的な回答率が16.1%も低く、約50%の中学生が家庭学習に対して意識が低い結果となっている。これは、休日においても同様の結果である。
 また、「普段(月~金曜日)、テレビゲーム(コンピュータゲーム、携帯式のゲーム、携帯電話やスマートフォンを使ったゲームも含む)を1日1時間以上している割合」については、小・中学校ともに50%を超えている。特に、小学校については、県と比較し5.9%も1時間以上ゲームをしている割合が高い結果となっている。
 さらに、「普段(月~金曜日)、携帯電話やスマートフォンで通話やメール、インターネットを1日1時間以上している割合(携帯電話やスマートフォンを使ってゲームをする時間は除く)」についても、小学校は県と比較し4.8%、中学校が3.1%高い結果となっている。
 保・小・中の連携を密にするだけでなく、保護者の意識も含め、就学前の生活習慣から改善を行っていく必要がある。

 

(5) 全国的に、児童生徒が携帯電話やスマートフォンを持つことから生じるさまざまな課題が指摘されているが、昨年度は、大山町では携帯電話やスマートフォンを持っていない児童の割合が60.5%であり、県より8.4%高かった。また、持っていない生徒の割合は41.1%であり、県より5.3%高い結果であった。
 しかし、今年度は、携帯電話やスマートフォンの所持率について、小学校が54.5%、中学校が71.9%であり、大山町の児童生徒は、県内でも所持率が高い結果であり、昨年度から所持率が大きく増加している。
 「持つことによる危険性」「情報モラルの徹底」「家庭でのルールの徹底」等の指導・啓発を、学校や家庭、地域が連携し継続性のある取組を進めていく必要がある。


お問い合わせは教育委員会事務局/
幼児・学校教育課

名和公民館 1階  
〒689-3211 大山町御来屋263-1

電話0859-54-5211

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